本当に1から説明する
こんにちは、いづです。
普段BEMANI PRO LEAGUE(以下BPL)のIIDX・ボルテで試合の感想記事などを書いています。
BPLもついに第4シーズン。配信が7月24日21時から毎週開始になります!
本記事は「IIDXをやっているけれどBPLは見ていない」とか
「IIDX自体はよく知らないけれど音楽ゲームのプロリーグは興味がある」、
「S3ボルテから見始めたけどIIDXはそもそもよくわからない」という方向けの記事です。
ごくごく基本的なところから説明し、最終的にはルールをある程度わかってもらうことを目標としています。
かなり基本的なので知っているところは飛ばしていただければと思います。
また記事中の「▶︎」は詳細表示です。クリックすると省略している部分が開けます。
IIDXとは
楽曲に合わせて7つの鍵盤と1つのターンテーブルを操作し画面から垂直に落ちてくる音符を処理する音楽ゲーム。
正式名称はbeatmania IIDX。
7つの鍵盤とターンテーブルにはそれぞれレーンが割り当てられており、
レーンに対応し垂直に落下する音符を処理します。
一般的に赤い音符のことをスクラッチと呼びます。
白い音符と青い音符はまとめて鍵盤、白鍵盤、黒鍵盤等と呼ばれることが多いですね。
全てをまとめてノーツと呼ばれることがあり、本記事もそう記載します。
これらをうまく操作して演奏し、グルーブゲージを一定値まで上げるとクリア。
一般的にはクリアを目指すゲーム。
BPLとは・BPLにおけるIIDX・試合のルール
BPLとは
BEMANI PRO LEAGUEはKONAMIが主催する「esports×音楽」の新感覚エンタテインメントです。
公式サイトより
プロ選手がチームに所属し、リーグ戦でチーム優勝を目指します。
7チームはゲームセンターを経営する7企業。ここではチーム名を記載。
APINA VRAMeS(アピナブレームス)
GiGO(ギーゴ)
GAME PANIC(ゲームパニック)
SILK HAT(シルクハット)
TAITO STATION Tradz(タイトーステーショントラッズ)
ROUND1(ラウンドワン)
レジャーランド(レジャーランド)
また所属する選手はドラフト会議によって決められます。
BPLでのIIDXの違い
上の図の通り「操作と音符のタイミングが合えば合うほど高得点になる」
1対1で曲をプレーしどちらが高精度で演奏できたか、つまりどちらが高得点かを競います。
グルーブゲージは一切関係ありません。
BPLの基本ルール
・4人の選手で構成されたチーム同士で試合をします。
・選手1対1で対戦します。レギュラーステージでは1試合につきこれを3回実施、合わせてチームは3名を選出します。
・選手につき楽曲1曲を選び合計2曲プレー。1曲ごとにより高得点だった方が勝利。
引き分けは両方とも勝利です。
勝利すると1曲ごとにptを獲得。
・3つの対戦は順番ごとに名前がついており、獲得できるptがそれぞれ異なります。
名称と獲得pt | S4 |
1対戦目 | 名称:1st match 1曲あたりpt:2 |
2対戦目 | 名称:2nd match 1曲あたりpt:3 |
3対戦目 | 名称:Final match 1曲あたりpt:4 |
このptのチーム合計が多い方が勝利です。
S4からは引き分けがなければ10ptを取ると勝利になります。
これを所定の試合数繰り返し順位を決め、上位になると次のステージに進めます。
S4 | |
チーム数 | 7 |
形式 | 総当たり戦 |
試合数 | 21 |
1チームあたり試合数 | 6 |
レギュラーステージ勝ち抜け | 4位まで |
得点の決め方
判定
タイミングがどこまであっているかはノーツごとに判定されます。
判定によって得点が決定され、その判定は5種類。
PGREAT(パーフェクトグレイト)
GREAT
GOOD
BAD
POOR
得点は以下のようになっています。
1判定あたり得点 | |
PGREAT | 2点 |
GREAT | 1点 |
GOOD BAD POOR | 0点 |
PGREATは通常虹色のGREATで表記されます。
文字の色は下記の図がわかりやすいです。
IIDXでは曲に対してのノーツの数が曲ごとに決まっています。
ノーツ1個につき最大2点なのでノーツ数×2の値が得点の上限になります。
これをMAXや理論値と呼びます。
MAXマイナス〇〇、というのはここからきています。
GOOD BAD POORの違いは?
GOODは点数こそ入りませんがミスではありません。正しいタイミングからは遠いイメージ。
BADは遠すぎによるミス扱いです。
POORはノーツの見逃しかノーツを(1個なのに)2回押してしまった場合に出ます。
コンボというカウントがあります。
GOOD以上の判定を出していればカウントが加算されます。全てGOOD以上だとフルコンボとなります。しかしこれは得点に一切関係ありません。
フルコンボよりもPGREATをいかに出せるかが大事なので場合によってはコンボを切ってでもうまく取ることが求められています。
課題曲
選手たちが選べる楽曲には指定があります。これを課題曲といいます。
課題曲を決めるには主な要素にレベルとテーマがあります。
レベル
IIDXにおいて楽曲には難易度を示すレベルがあります。
レベル1〜12までありますが、BPLでは8〜12を選択できます。基本的には数値が大きい方が難易度が高いです。
対戦ごとに選べる楽曲のレベルが異なり、試合が進むにつれて楽曲のレベルは上がっていきます。
試合ごとに指定があり、指定Aと指定Bと呼ばれます。
A | B | |
1st(先鋒) | 8〜10 | 8〜10 |
2nd(中堅) | 10 | 11 |
Final(大将) | 11 | 12 |
テーマ
楽曲のノーツがどのようにくるかを示す傾向をテーマと呼びます。
BPLの課題曲はこのテーマのどれか1つに割り当てられています。(TRENDを除く)
テーマ名 | 傾向 |
NOTES | 楽曲の長さに対する総ノーツ数が多い譜面 |
PEAK | ノーツ数の瞬間密度が高い譜面 |
CHORD | 同時押しが難しい譜面 |
CHARGE | チャージノートやバックスピンスクラッチが難しい譜面 |
SCRATCH | 楽曲の長さに対するスクラッチが多い譜面 |
SOF-LAN | BPM変化に対するノーツが難しい譜面 |
TREND | BPL開催時のIIDX バージョンで追加された譜面(S3より追加) |
・チャージノート等は後述します。
・BPM変化とはノーツが流れてくる速度が楽曲の途中で変化することを指しています。
つまり遅くなったり速くなったりする楽曲です。
・TRENDは最新バージョンで登場した譜面を指します。
これらの譜面はTREND以外にテーマを持ち、そのテーマで選曲できます。
例
第1試合TAITO STATION Tradz vs APINA VRAMeS
Tradz | 指定A | アピナ |
1st match TREND 8〜10 | ||
2nd match NOTES 10 | ||
Final match SCRATCH 11 |
この場合1st matchに出る選手はテーマTRENDのレベル8〜10の課題曲リストから自分のプレーする曲を選択します。
自分が選ぶ課題曲を自選曲といいます。相手の選ぶ課題曲を他選曲といいます。
一度選ぶとそのチームはシーズン中に再度選ぶことができません。
課題曲リストは公式サイトに掲載されています。
ANOTHER,LEGGENDARIAとは
IIDXの楽曲には譜面の種類を指す言葉があり「BEGINNER」「NORMAL」「HYPER」「ANOTHER」「LEGGENDARIA(レジェンダリア)」の5種類があります。
BPLでは「ANOTHER」「LEGGENDARIA」の2種類しか選ぶことができません。
これはレベル8〜10の「HYPER」譜面の課題曲化を防ぐためと思われます。(対策が膨大になる)
「LEGGENDARIA」の譜面がある楽曲は限られています。
ノーツの種類・配置・オプション
得点を左右するのはさまざまな配置で来るノーツに対しどれだけ対応できるかになります。
特徴的なノーツ・配置・オプション等を説明しておきます。
特徴的なノーツ
チャージノート
普通のノーツと違い、押し続けなければいけないノーツ。
始点に判定があります。これがGOOD以上で判定が開始。
(始点で見逃しやミスをすると終点の判定は無くなります)。
押し続けて終点で離す必要があり。離すタイミングにも判定があります。
始点と終点で2ノーツ分の得点になります。
スクラッチにも同じタイプの同じ方向に回し続ける必要のあるバックスピンスクラッチ(BSS)があります。
これも判定は同様です。終点は離すのではなく反対側に回します。
テーマCHARGEはこれらのノーツが登場し難しい譜面とされています。
チャージノーツを始点で失敗すると4点のロスになります。
なのであまり押し逃しはしたくないですが押しながら鍵盤を取るのが難しい場合は途中で離すことも視野に入ります。
たまに色の違うチャージノーツが来るのは何?
オレンジ色または紫色のチャージノーツがあります。
これはヘルチャージノーツと呼びます。
判定はチャージノーツと変わりませんが押し続けないとグルーブゲージが減ります。
始点でミスすると押せなくなるチャージノーツと違い途中から押すことができますが得点は加算されません。グルーブゲージは上述の通りBPLには一切関係ありません。
選手によっては色を普通のチャージノーツにする設定を採用する選手もいます。
マルチスピンスクラッチ(MSS)
バックスピンスクラッチのうち回す方向を何度か切り返す必要のあるノーツ。
特殊なのは切り返しで押し直すことができる点。
始点で失敗しても全部ミスにはなりません。
得点は始点終点と切り返しの分です。
配置
楽曲に合わせて降ってくるノーツはさまざまな配置で来ます。
この配置を譜面と呼びますが、この譜面のパターンの中でもよく出る「階段」「トリル」「縦連打」について説明します。
・階段
見た目が階段のように見える配置。
・トリル
交互に連続してノーツを叩く配置。
・縦連打
同じレーンに連続してノーツが流れてくる譜面のこと
・連皿(連続スクラッチ)
スクラッチノーツが連続して流れてくる譜面のこと。
オプション
曲ごとにノーツのくる配置は決まっています。これを譜面と呼びます。
この配置をオプションによって変更することができます。
BPLで使えるものは以下です。
オプション | 説明 |
OFF | 何も変更しない。正規とも呼ばれる |
RANDOM | 正規譜面から7つの鍵盤のレーンをランダムに入れ替える |
R-RANDOM | 正規譜面から7つの鍵盤を円順列で入れ替える。R-RANと呼ばれる |
S-RANDOM | レーンを無視し鍵盤ノーツをすべてランダムにする。S-RANと呼ばれる |
MIRROR | 7つの鍵盤のレーンを左右反対にする |
・OFF(正規)とMIRRORは常に決まった配置が降ってきます。そのため「固定オプション」と呼ばれます。
・いかなるランダムオプションを使用してもスクラッチの位置は変わらない
・選手双方が同じランダム系のオプションを使用すると双方に同じ譜面(ランダムの結果が同じ)になる。
例:両選手ランダムの場合、入れ替わったレーンが共有される。
3種類のRANDOMの違いの説明
3種類のRANDOMの違いは何?
この白鍵盤黒鍵盤はターンテーブルに近い順から1番、2番…7番と呼ばれることがあります。
白黒白黒白黒白の順。
OFFだと正規譜面なので
OFF(正規)・・1234567
ですね。
MIRRORだとこれを
MIRROR・・・7654321
という配置になります。
4は変わっていませんが押しやすさは人によって変わります。
RANDOMはこれをバラバラにします。
配置はプレイヤーが決めることはできずプレーするタイミングで初めて決まります。
基本的には始まるまで「1番がどこか」などはわかりません。
パターンはは7の階乗である5024通りあります。
1/5024ですが正規譜面やMIRRORの配置も出る可能性があります。
R-RANDOMは1234567か7654321を並びはそのままに、場所だけ入れ替えている配置です。
例えば3456712。
これは1234567の形を崩さずにずらしていますね。輪っかをつけて動かしていると思うとわかりやすいでしょうか。だからR(ローテーション)-RANDOMです。
これの並びは1234567か7654321の2通りの円順列。
14通りになりますがこのオプションを使った時は正規とMIRRORは出なくなるので12通りですね。
RANDOMよりは圧倒的にパターンが少なくなります。
またR-RANDOMでは1つの鍵盤が正規と同じ位置になる確率が1/12しかありません。どうしてもここにくるのは嫌、というのを避けやすいです。
S-RANDOMはレーンを無視してすべてのノーツをランダムに。
すべてのノーツを適当にレーンに割り当てることになるので可能性は莫大。
同じ鍵盤を叩く配置、縦連打が多くなっていきます。
なぜランダムを使うのか
なぜRANDOMを使う必要があるの?
「決まった配置が降ってくるならそのほうがいいじゃないか」
と思う人もいるでしょう。それはそうなのですが色々と理由があります。
理由①正規譜面よりも押しやすい可能性がある
IIDXは正規譜面が必ず押しやすいとは限りません。そして鍵盤の間隔が狭いので最悪片手で全部押すことができます。
つまり押しにくいことはあっても物理的に押せない配置はほぼきません。
運ですが押しやすい配置がくる可能性があります。押しやすい配置を「当たり」と呼びます。逆に押しにくい配置は「ハズレ」といいます。
理由②階段配置やトリルが押しやすくなる可能性がある
階段配置は得意不得意が分かれるので崩した方がやりやすい選手もいます。
トリルは隣り合っている鍵盤では押しにくいです(基本的には片手のトリルが難しい)
これの配置を両手で押せるような位置にくることもあります。
正規
R-RANDOM
RANDOM(押しやすそう例)
RANDOM(押しにくそう例)
S-RANDOM
S-RANDOMはレーンから解放され全ての規則性がなくなります。
たとえばスクラッチと鍵盤が絡む譜面では鍵盤がターンテーブル側に寄ると取りにくくなります。
RANDOMでハズレを引くくらいなら全ての規則性を外すというのは作戦としてありです。
ストラテジーカード
他選曲を無効にし変えることができるカードをストラテジーカードといいます。
レギュラーステージにおいては各チーム2枚所有しています。
・ストラテジーカードを使うと相手の選曲をその対戦のテーマの課題曲の中からランダムに変更します。KONAMIによる抽選で決定します。
・互いにストラテジーカードを使うと双方の選曲が課題曲の中からランダムに変更されます。
・2枚のストラテジーカードを1試合中に全て使うことはできません。
・2nd matchにストラテジーカードを1枚使った場合、もう1枚のストラテジーカードは2nd matchに使うことができません(同じ”対戦”でのストラテジーカード使用不可)
・ストラテジーカードで課題曲が変更された場合、変更前の楽曲はシーズン中再度選ぶことができます。
コスト・出場制限
強い選手ばかり出せば良いのでは?と思うかもしれませんが選手にはコストがあります。
S4においては選手1人につき160のコストを所有しています。出場する対戦によって消費するコストが変わります。
S4 | |
1st | 20 |
2nd | 30 |
Final | 40 |
所持コスト | 160 |
このコストの中で全ての選手が最低4試合出場する必要があります。レギュラーステージは6試合あるので出ない試合は多くても2試合。
BPLの面白さ
長々と説明してきましたが、ここで筆者の思うBPLの面白さについて挙げていきます。
1点を追う緊張感
対戦の際画面中央に得点を示すグラフが出ます。
プロ選手たちは超高精度を見せ曲のほとんどでPGREATを出していくのでわずかな差しかつきません。
特に1st matchのレベル8〜10は1点の差を追う展開になりやすいです。
どれだけリードで進めていてもほんの些細なミスで一気に逆転、そういう展開も数多くあります。
見ている私たちにも襲いかかるヒリヒリとした緊張感がクセになります。
ランダム性
オプションのRANDOMやストラテジーカードによる課題曲の変更、こういったところにランダム性が生まれ実力が少し離れていても何が起こるかわからないところがあります。
譜面オプションのRANDOMで明らかに押しにくそうなものが来て苦戦する、
相手の選曲を封じるためのストラテジーカードでむしろよりやりたくない曲がくる。など試合の展開を左右するドラマを生みますね。
バラエティに富む楽曲
試合中、選手が準備をする間など全ての時間DJによって音楽がかけられています。
対戦の間も曲をプレーし、全ての時間が音楽に包まれていると言っても過言ではありません。
かけられるのはBEMANIシリーズの楽曲。盛り上がる曲、おしゃれな曲、悲しげな歌物など様々な楽曲がシーンを彩ります。
ドラマ性
リーグを進めていくにつれてチームの状況が変化し、負けられない状況も増えてきます。
苦しくなるチームの状況の中に光明が差すような展開があると一際面白くなります。
たとえば2回前のS2ですがSILK HATは負ければ敗退の状況に追い込まれていました。
相手はGAME PANIC。ドラフトでも上位の選手同士のぶつかり合い。
負けも十分あり得るリードを取られていましたがFinal match(当時は大将戦)で大逆転。
勝利で可能性をつなぎました。
あの瞬間の盛り上がりは痺れましたね。
そしてそれで追い込まれたGAME PANICも最後にドラマを見せてくれました。
屈指の名試合だったと思います。
毎週水曜21時
説明してきたBPLですがS4が7月24日から毎週水曜、21時に放送が開始されます。
Youtubeのリンク
このシーズンから見始める、という方でもこの記事を読めば多分、問題ないです!
シーズンも4になり歴史も刻まれていて、チームと選手の歴史を知ると面白さがさらに深まりますがまず先に競技の面白さを知ってほしいと思っています。
また本ブログはBPLに関する記事(試合振り返り・予想など)を出していきますのでよろしくお願いします。