良カードのジレンマ
こんにちは、いづです。
第12試合はROUND1とSILK HAT。
3試合でいい結果とは言えない状況の2チーム。勝っておきたい直接対決ですね。
とくにSILK HATはここで負けるとほぼ敗退の状況。
Final matchではU*TAKA選手vsSEIRYU選手、レベル12と誰もが見たい良カード。
こういった面白い組み合わせが出るには双方が「絶対勝負しなければいけない状況」が生まれています。見る側としての楽しい状況は苦しい状況から生まれやすいというのはジレンマですね。
1st match テーマNOTES
選曲予想
CYBERX選手:snow storm
KIDO.選手:AWA AWA
実際の選曲
CYBERX選手:NΦ CRIME(ANOTHER)
KIDO.選手:Frozen Ray (original mix)
NΦ CRIME MAX1902
1898(−4)- 1888(−14)
Frozen Ray (original mix) MAX1818
1794(−24)- 1798(−20)
CYBERX選手選曲「NΦ CRIME」
「NΦ CRIME」は徹底的な繰り返し心臓勝負譜面。LEGGENDARIA譜面がIIDX30で登場しましたがここはANOTHER。どちらも課題曲ですね。
オプションは両者RANDOM。立ち上がりからCYBERX選手が3点のリード。
この曲においては少し大きいかもしれません。そこからじわじわと広がる点差。
いつ崩れるかわからないという勝負ですがCYBERX選手の安定感が逆転はなさそうだと思わせます。
最後まで走り抜けました。
圧巻のMAX-4。今季CYBERX選手の持ち味である心臓勝負をしっかり掴んでいく姿がかっこいいですね。
KIDO.選手選曲「Frozen Ray (original mix)」
「Frozen Ray (original mix)」は基本音合わせながらところどころのずれ配置が特徴的。
慣れていても難しそうな曲。
オプションは両者R-RANDOM。トリルが外れるのは困るかもしれません。
途中まではほぼ同点、音合わせながら難しいトリル配置、CYBERX選手が引き続きの素晴らしい精度を見せつけていきます。ラストへ向かって7点差のリードを作りました。
そしてラストスパート。少し密度が上がり3連符が繰り返される難所。両者少し黄ばみ出します。その中でもKIDO.選手が安定しているか。作ったリードがいつの間にか溶けて同点、そしてKIDO.選手が逆転したところで曲が終了しました。
KIDO.選手が今シーズン初勝利。ほんの僅かな時間で一気に逆転して何が起こったのかわからず終わった印象。
この曲の最後は見た目より何倍も光りづらく、安定させるのが難しいのをプレーして気づきました。そういう意味でKIDO.選手らしい選曲でしたね。
2nd match テーマTREND
選曲予想
1-PIN選手:Speculation
VELVET選手:MAD ATTACK
実際の選曲
1-PIN選手:雫
VELVET選手:MAD ATTACK
雫 MAX2722
2700(−22)- 2682(−40)
MAD ATTACK MAX2792
2580(−212)- 2620(−172)
1-PIN選手選曲「雫」
「雫」は1回の速度変化とトリルとややずれ同時押しが特徴的。
今作でACに出た譜面のためTREND入り。2回目の登場で選曲は3回目ですね。
オプションは1-PIN選手が正規、VELVET選手がRANDOM。どちらも良さがありますね。
速度変化は両者もろともせず1-PIN選手がややリード。
そこからは1-PIN選手が圧倒。黄GREATを探すのが難しい安定を見せてしっかり差を作っていきます。
早いトリルも押しやすくない配置ですが完璧。最後までリードを守り抜きました。
2700点の大台に乗せての勝利。1-PIN選手も固定オプションに高い安定感がありますね。
VELVET選手選曲「MAD ATTACK」
予想的中「MAD ATTACK」はレベル11TRENDのスクラッチ枠かつ問題児。声ネタに合わせたスクラッチと鍵盤の絡みがかなり難しい曲。
オプションは両者MIRROR。スクラッチを回しながらの階段配置が左プレイヤーはとりやすいですね。
序盤はやや1-PIN選手が先行。しかしスクラッチと同時に降っているとは思えない鍵盤の量に両者なかなか安定しません。目まぐるしく点差が動きVELVET選手が一つ抜け出したか。
スクラッチをしながらのトリルで一気に開きましたね。トリルとスクラッチは速度が違うので難所でしたが綺麗に光らせたVELVET選手。
そこからは作り上げた差をさらに膨らませVELVET選手の勝利。
難しいスクラッチ曲ですが中盤からは安定感を見せていきました。VELVET選手の強みを存分に発揮した良いプレーでした。
Final match テーマCHARGE
選曲予想
U*TAKA選手:真 地獄超特急 -HELL or HELL-
SEIRYU選手:ディスコルディア
実際の選曲
U*TAKA選手:Ignis†Iræ → Hollywood Galaxy
SEIRYU選手:Somnidiscotheque → 共鳴遊戯の華
Hollywood Galaxy MAX2784
2744(−40)- 2749(−35)
共鳴遊戯の華 MAX4000
3904(−96)- 3891(−109)
ストラテジー選曲「Hollywood Galaxy」
「Ignis†Iræ」は白鍵盤黒鍵盤のトリル、階段が特徴的。トリルといっても交互に押せず片手で押すことになる配置。チャージは2本同時に降って間に1個鍵盤がくるアルファベットのHみたいな配置が印象に残ります。基本どの配置を切り取っても押しやすくないです。
選曲としてはかなり意外でした。これを安定させて武器曲に投げる人がいるのかという点で。。
敗退がかかるSILK HATとしては当然ストラテジー。
「Hollywood Galaxy」は純粋なチャージがらみの譜面。レベル12というとチャージ以外に物量が多いなどの難所がありますがこれは普通ですね。
むしろレベル12では比較的少ないノーツ数1392が特徴的でしょうか。
オプションはU*TAKA選手がRANDOMでSEIRYU選手がMIRROR。
固定オプションは二重階段が降るので好みでしょう。
序盤は数点U*TAKA選手がリード。しかし中盤のブレイク前U*TAKA選手が崩れて逆転し12点の差になります。ここはRANDOMならではの難しさかもしれません。
ブレイク後密度が上がりますが両者レベル12は得意分野、黄GREATがわずかしか出ません。点差は削れていきますが削り切らずSEIRYU選手の勝利。
SEIRYU選手が殊勲の1勝をもぎ取りました。固定オプションでの安定したプレーはまるで自選曲のようでしたね。。U*TAKA選手のプレーもずっと安定していましたがあの崩れた一瞬が痛い。。
ストラテジー選曲「共鳴遊戯の華」
「Somnidiscotheque」は24分36分のノーツが押し込まれた実質BPM230の高密度譜面。IIDX30RESIDENTでのボス曲の1つですね。
THE高密度といったSEIRYU選手らしさが溢れる選曲。
しかし負けられないROUND1もストラテジー。
「共鳴遊戯の華」はチャージノーツを配慮していない鍵盤の降る物量譜面。ノーツ数2000でさっきとは真逆ですね。
テーマCHARGEは「固定オプション押しやすめ」なことが多いですがこれは全然押しやすくないです。RANDOMをいかに押しこなせるかの勝負になります。
オプションは両者RANDOM。序盤はU*TAKA選手がリードを広げます。しかしこの物量を前にしても点差がほとんど広がりません。1回目のサビが終わってブレイクではなんとほぼ同点。SEIRYU選手が追い上げてきます。
しかし終盤はU*TAKA選手が安定。押しやすそうに見えない配置でしたが見事ミスなくさばいて勝利しました。
U*TAKA選手が物量戦を押し勝ちました。意地でチームのピンチを守り切ったようにも見える勝利でしたね。
展開予想
ROUND1 | SILK HAT | |
2 | 1st NOTES 8〜10 | 2 |
3 | 2nd TREND 11 | 3 |
4 | Final CHARGE 12 | 4 |
予想通りでしたね。見たかった試合とも言えます。
至高
ROUND1としてはFinalのストラテジー枠の消費で勝てなかったのが厳しかったですね。
残り2戦U*TAKA選手を出すことができますがどちらかは勝たないといけなくなりました。
特に次のTradzとの直接対決を勝って決めたいところ。
SILK HATとしては引き分けで首の皮一枚繋がった状況。
しかしストラテジーも全て使いきり本当にギリギリですね。
ただ敗退確定のまま8月収録を迎えるよりは良かったのではと想像します。。
お互いに勝利できなかったですし、苦しい状況になってチーム的に喜ぶことはできません。
しかし見る側としてはこれ以上なく充実した試合で本当に楽しめました。
負けられないひりつきに呼応してそれぞれの選手が強みを活かしてptをとっていく展開。
SILK HATは負けたら終わりですからね。現地で見ていた筆者も他のファンの緊張感を浴びました。
特にSEIRYU選手が「Hollywood Galaxy」を勝った瞬間もう涙が出ていましたね。負けでないことが確定した歓喜。。
死力を尽くして煌めく名試合。