【BPLS3 ボルテ】ファイナルSILKHAT vs TAITO STATION Tradz振り返り

BPLS3

最終回

こんにちは、いづです。

ファイナルの放送からもう1週間。IIDXのドラフトまで終わってしまいましたが最後の振り返り書いていきましょう。

ファイナルに駒を進めたのはSILKHATとTAITO STATION Tradz(以下Tradz)。
セミファイナルではレベル17〜19でしたがファイナルでは18〜20。
特に中堅戦レベル19のみメガミックスは難しさとゲージのたまりやすさが特徴的。

VOLFORCE(高難度PUCによって上昇するレート)がTOP3選手の集まりであるTradzはやはりステージが上がるほど強いイメージ。
そんな相手にSILKHATはどう挑むか。

先鋒戦・メガミックス区分C

082選手

Fl0ating:(MXM18)
Erm, could it be a Spatiotemporal ShockWAVE Syndrome…?(EXH18)
Aurolla(MXM18)
On take SUN(MXM18)
petits fours(MXM18)

比較的珍しいラインナップ。あまり傾向が見えない。。

350B1選手

Fl0ating:(MXM18)
Яe:son D’être(MXM18)
SociuS(MXM18)
ボルテ体操第一(XCD18)
GEMINI LA2ER(MXM18)

基本的に鍵盤が難しいもの。メガミックス専用の対策がいる曲もあり尖り気味。

082(先攻)350B1(後攻)
Fl0ating:11
Fl0ating:(350B1)1
Fl0ating:(082)1
Яe:son D’être1
*Erm, could it be a Spatiotemporal
ShockWAVE Syndrome…?
(L3)1
SociuS1(L3)
Aurolla11
ボルテ体操第一1
On take SUN11
GEMINI LA2ER8(L3)
petits fours(L3)1
SociuS(L1)2(L1)
617
(L)はゲージ消費

勝負をかけたのは5ターン目「*Erm」。
EXH譜面ではBPMが乱高下するところ。しかしメガミックスバトルではレーン速度は変わりません。
普通とは見え方の違う譜面。
ここはごく接戦ながら350B1選手が防ぎ切ります。
返しは「SociuS」。同じく見え方の違う譜面。
序盤は350B1選手がリードしていましたが追いつき、終盤でわずかに082選手が取り返しここも防ぎます。双方がセーブしあい点差は変わらず。

続く2の矢は10ターン目「GEMINI LA2ER」。忙しい鍵盤につまみが絡み、目まぐるしい展開の譜面。
082選手にCRITICALは見えじわじわと差が広がって350B1選手の勝利。S-PUCで通過したら流石に勝てないですね。

返しの11ターン目は「petits fours」。これも082選手が大きく崩れたわけでもないのに引き離されていきます。そのまま終わって350B1選手が勝ち切り。これもまたS-PUC。
残り1ターンで6−15。350B1選手の勝利が確定しました。

さすがに最後の2連S-PUCは容赦なく強かった。。10ターン目のギア使用は不発に終わった後のリスクが大きいので打ちづらいですがS-PUCを取れれば文句なし。完璧でした。
ちょっと気になるのは082選手が「On take SUN」でギアを打たなかったことですかね。3個貯まる待ちよりは行った方がよさそうにも見えました。

次鋒戦テーマNOTES

選曲

SILKHAT:HAVOX(EXH)
Tradz:Dogeza Stairs(MXM)

HAVOX
17029(−31)ー17016(−44)
Dogeza Stairs
16880(−14)ー16851(−43)

SILKHAT自選「HAVOX」

「HAVOX」はつまみが頻繁に絡むややONE-HANDよりの譜面。見た目よりも光らせにくくスコアが出にくい譜面。

この曲、「Steel Chronicle」というKONAMIのゲームのBGMでイベント解禁。
イベント期間が終わったあとしばらく解禁ができませんでした。3年くらい
一時は難易度19でしたが18になった譜面。

序盤からSILKHATがリード。XD*LEVI.選手に刺さって翻弄されている印象ですね。
中盤からリードがより盤石なものとなります。
終盤の局所難ももろともせず抜群の安定感でそのまま逃げ切りました。

18にしては難しい譜面もしっかり捌き切りました。
DAIKI.選手もSTR選手もバッチリ揃えていますね。

Tradz自選「Dogeza Stairs」

「Dogeza Stairs」はややONE-HANDよりのトリル配置の多い譜面。
土下座を模した配置もありますがここは差はつかないでしょう。

譜面保管所 様より引用。ロングを押しながらつまみに手をかけると自然と手をつく形になる。

序盤からほぼ拮抗。細かい片手配置が多くCRITICALが結構出やすいですが両者ほとんど出ていません。
中盤のつまみ地帯が終わったあたりでまだチーム合計で8個と10個。かなり研ぎ澄まされています。
終盤直角と鍵盤の絡みでMURAKAMI選手がこぼすと一気に差が広がっていきます。
土下座地帯が終わり一向に縮まらない点差。そのままSILKHATが勝利しました。

他選曲で信じられない安定感。DAIKI.選手は自己ベスト+4、STR選手は自己ベスト+12の大更新を果たしました。勝負に強すぎる。
Tradz流石にこれは厳しいか。勝つにはほぼ自己ベストを要求されています。

先鋒戦の負けを一気に取り返しSILKHATが逆転。

中堅戦・メガミックス区分B

STR選手

極圏(HVN19)
For UltraPlayers(HVN19)
Quietus Ray(HVN19)
Verse IV(HVN19)
INSECTICIDE(HVN19)

高難易度鍵盤真っ向勝負。

350B1選手

GERBERA-For Finalists-(MXM19)
Xéroa(MXM19)
Sailing Force(MXM19)
Dyscontrolled Galaxy(MXM19)
BELOBOG(MXM19)

S2でも選んでいた「Dyscontrolled Galaxy」(通称ディスコン)含め鍵盤真っ向勝負。

STR(後攻)350B1(先攻)
極圏11
GERBERA-For Finalists-1
For UltraPlayers5(L2)
Xéroa5(L2)
Quietus Ray1
Sailing Force11
Verse IV(L3)1
Dyscontrolled Galaxy1(L3)
極圏1
BELOBOG1
INSECTICIDE1
GERBERA-For Finalists-8(L3)(L2)
1910
(L)はゲージ消費

ゲージが遥かに溜まりやすいレベル19。
3ターン目からレベル2の「For UltraPlayers」。
メインパートの鍵盤ではやや350B1選手がリード。しかしパートが長く静かになってからのつまみまで含まれています。
つまみ地帯ではSTR選手が取り返し同点。その後の鍵盤一つ分STR選手がリードし勝ち取りました。

しかし返しの「Xéroa」。高速でFXと白鍵盤を押す配置をしっかりと押し切りPUC。
350B1選手が勝ち取り結局イーブンに。

7ターン目に「Verse IV」。EXH譜面で何度か登場していますがこれもFXトリルが肝となる譜面。
しかしここはFXトリルまでの鍵盤でSTR選手にERROR。大きく失点となり350B1選手がセーブします。

350B1選手絶好のタイミングで「Dyscontrolled Galaxy」。
しかしメインパート前の螺旋階段からの縦連を綺麗に捌きSTR選手がリード。
わずかに詰めるも守り切りここをセーブ。簡単には譲らせません。

その後11ターン目で10−10。STR選手最後の自選はギアを温存。
最後のターンSTR選手が選んだ曲に全てを賭けます。

最後に選んだ曲は「GERBERA-For Finalists-」。白い鍵盤全部押しの通称「壁」の連打が最後に降る譜面。本番1発で一番怖い譜面を持ってきました。祈るSTR選手。

最初はSTR選手がわずかにリードしますがFXと白のトリルなどで350B1選手が追いつく形。
シーソーゲームの中突入する「壁」。ここをSTR選手が完璧に押し切り十分な差を生み出しました。
最後の階段で縮まっていきますが逆転には至らず。STR選手が勝利しました。

この最後の曲は試合が始まる前に相手の選曲から選択します。
STR選手は最後この曲で勝負することを初めから選んでいました。この「壁」で決まりうる譜面を。。
勝利への貪欲さ、心臓の強さ諸々が凄すぎる。

ここで4−1。SILKHATが王手をかけました。

副将戦テーマHAND-TRIP

選曲

SILKHAT:Fαtα∠ Ent∠mEnt(MXM)→ 月光乱舞(GRV)
Tradz:Absurd Gaff (Metallize Remix)(MXM)

月光乱舞
14000(−42)ー14008(−34)
Absurd Gaff (Metallize Remix)
15373(−83)ー15347(−109)

ストラテジー選曲「月光乱舞」

「Fαtα∠ Ent∠mEnt」は片手のとんでもない配置が特徴的。全てにおいて片手配置が難しく最後も押しにくい配置。082選手のBIG HANDが活かせそうな曲。

2タテされたくないTradzは当然ストラテジー。出たのは「月光乱舞」。
1曲に見えますがメドレー形式の譜面。
天下一音ゲ祭で登場した譜面でこの曲から「新曲がメドレー形式になる」伝統が生まれました。

譜面の難易度はというとさすがに19の中では簡単な部類に入るか。
バラエティのある譜面なので覚えていないことでのミスも怖いですがやや心臓勝負気味。

序盤からSILKHATがリード。意外とONE-HANDが難しい最初で082選手の独特極める運指が輝いていますね。Tradz側はMURAKAMI選手がミスしてしまったか。
10数点の差をつけて中盤。終盤に向かうとややSTR選手がミス、082選手のCRITICALと重なっていきぐんぐん点差が縮まっていきます。ここの猛追は熱いですね。いつの間にか0点差。
曲も終わろうという最後の転調。一気にTradzが追い越しそのまま逃げ切りました。

最後の転調ではTradz1個CRITICALも出していませんね。さすがの鍵盤精度力
かなり危ないところでしたが可能性をつなぎました。むしろここからイーブンまで望めるか。

Tradz自選「Absurd Gaff (Metallize Remix)」

「Absurd Gaff (Metallize Remix)」は比較的最近の曲。
後半に一気に難易度が上がる譜面で片手の機動力が問われます。

比較的簡単な序盤、SILKHATがリードを広げます。
10数点ほどになりますが鍵盤のERRORでグッと縮まり数点差。
迎える後半の難所ですぐにTradzが逆転。5点ほどですがリードを築きます。
しかし襲ってきたこの配置。

絶対に2回目は出張して取らないといけないこの配置。
ここでハマってしまったか。SILKHATが大きく10数点引き離しました。
取り返せず曲が終了。SILKHATの勝利。

STR選手が素晴らしいスコアと082選手が見事な食らいつき。
加えて350B1選手とMURAKAMI選手が出しきれなかったようにも見える。。
SILKHATはリードを守ったまま大将戦へ。勝利まであと1曲。

大将戦テーマALL

選曲

DAIKI.選手:Xb10r(MXM)
XD*LEVI.選手:HeaveИ’s Rain(MXM)→BLACK or WHITE?(GRV)

新曲:NEMSYS ARENA World Hexathlon(MXM)

Xb10r
8444(−37)−8410(−71)
BLACK or WHITE?
7693(−17)−7688(−22)
NEMSYS ARENA World Hexathlon
8789(−469)−9076(−182)

DAIKI.選手自選「Xb10r」

「Xb10r」(テンブラー)はつまみと鍵盤の難しさがバランスよく含まれる譜面。
レベル19は鍵盤の難しさに寄りがちですがこれはつまみとの絡みが多いタイプ。

そしてこの曲、意図してはいないでしょうがS2のファイナルでTradzがタッグバトルで投げた曲。
GiGOにカウンターを取られたちょっと苦い思い出があります。その時の選手はWANIROU選手とMURAKAMI選手。
重ねてKAC2023では350B1選手がこの曲に苦しめられ負けとTradzに立ちはだかる壁となっている曲。ここでXD*LEVI.選手の前にも現れます。

序盤からDAIKI.選手がリード。高難易度ですがこのレベルの2人なら純粋精度勝負になってしまいます。
様々な難所がありますが少し引き離したのはこの鍵盤配置。

譜面保管所 様より引用。未だにどうとるのかわからない

10数点のリードのまま動かずメインパート。
メインパートの途中でつまみと鍵盤の絡みを落としてしまったXD*LEVI.選手。30点ほどの差に。
そこからもミスしやすい配置も多いですが両者全く崩れず。
リードそのままでDAIKI.選手が勝利しました。

Tradz特効「Xb10r」で決めていきました。
勝利まであと1曲となると出しきれなかったりすることもありますが、
DAIKI.選手はいつも通りの勝負強さを見ました。
ここでSILKHATが勝利を確定。白黒をつける間もなく決め切りました。

ストラテジー選曲「BLACK or WHITE?」

「HeaveИ’s Rain」は高速鍵盤が絶え間なく襲ってくる暴力的な譜面。
最近出たレベル20ですね。XD*LEVI.選手の得意曲。

ストラテジーで出たのは「BLACK or WHITE?」。偶然にしては出来過ぎでは!?
SILKHATの白とS3の1Tradzの黒、どちらか分けようだなんて。。
そしてS3のIIDXも大将戦でこれが出ましたね。
まあ今回は流れる前に決まったんですけどね

  1. S4は真っ白。ここにS3のという脚注をつけることになるとは当時思っていなかった ↩︎

レベル19では比較的簡単めの譜面。
つまみとの絡みが多いのでONE-HAND要素が多めか。

独特のEFFECTで始まる本楽曲。最初の階段やところどころハマりかねない配置でしたが難なく乗り越え数点差。大きくリードにはなりません。
1回目のメインパートを終えブレイクで0点。流石にドラマチック。
終盤どちらが勝つかわからない点差ですがCRITICALを皮切りにDAIKI.選手がややリード。
ほんの数点ですがそのまま決着。DAIKI.選手の勝利。

勝利し切っても緩むことのない強さを見せました。改めて白だと突きつけていった。。
Tradzが副将戦で2タテしていたらここが勝負をつけるところだったわけですが、そうだとしたら本当に寿命が縮むかもしれない。。

新曲「NEMSYS ARENA World Hexathlon」

新曲は「NEMSYS ARENA World Hexathlon」。
コンポーザーは「隣の庭は青い(庭師+Aoi)」。先ほどの「Xb10r」やTradzのS2のテーマ曲「零天視」でお馴染み。
EFFECTERは「Akizuki Nagomu as AMAZE」。
「Akizuki Nagomu」は色々なタイプの譜面がありますね。AMAZEはコンポーザー名義でMUSECAの「H_Y_D_R」や東方リミックス「アワデコノヨヲ」などが有名。

譜面は序盤からかなり難しい配置。
途中烈風刀、雷刀、レイシスと登場し、モニターに「NOTES」と表示されます。
このタイプの譜面が流れてくるという仕様。ONE-HAND、TSUMAMIと繋がっていきます。
それに合わせた曲調になっているのが面白いですね。

TRICKYのあたりで大きく差がつき100点ほどXD*LEVI.選手がリード。
その後のPEAKで200点ほどまで広がります。そして点差が見えなくなりラストパート。
最後も狂気的な配置が見えましたがXD*LEVI.選手がうまく押していきます。
そのまま終了。圧巻のプレイでXD*LEVI.選手の勝利。

これぞXD*LEVI.選手の真骨頂。高難度であればあるほど発揮しレベル20の新曲もお手のもの。
通常スコア評価Sは初見レベル20では普通は取れません。
自選「HeaveИ’s Rain」をやれていたらどうだったのか、気になるところですね。

とびっきりの魔法

SILKHATがリードを掴み、新曲を迎える前に決着させました。
理想的なゲーム進行でしたね。次鋒を2タテしリードを取り中堅がとれたことで止まらなくなりました。
尋常ではない勝負強さの挑戦者DAIKI選手、挑戦者もとい侵略者STR選手が圧倒しつつ強力なタッグとなる082選手。
ゲームを取る、勝負を決めることにおいて最強のチームだった。。

Tradzとしては2連覇ならず。次鋒中堅副将と思うように行かなかったことが厳しかった。。
しかし高火力で魅せ続けるチーム。難しいものを悠々と投げてもぎとっていく姿はシーズン中しっかりと焼き付きました。

表彰でのインタビューで082選手が「最後に一矢報いることができて良かった」と言っていましたね。最後も確かに素晴らしかったし、個人的には最初のGAME PANIC戦の大将での勝利は本当に大きかったしあれがなければ多分こうなっていません。
STR選手は「VOLFORCEが全てでないことを証明できた」、STR選手とこのチームの勝負強さがこれ以上ないくらい示してくれましたね。
DAIKI.選手の最後の「SEATRUSやったよ、優勝したよ」は涙腺にきました。

シルクファンの筆者としては、応援しているチームが優勝した瞬間の喜びが今でも忘れられません。

S2チャンピオンを倒したとびっきりの魔法。

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