万全という期待
こんにちは、いづです。
選手が試合に出るとき、視聴者側としては選手は十分に準備でき全力を発揮できることを期待します。
毎回展開予想の記事を書いているのですが、今回もその期待を元に書きました。
しかし次鋒戦でKND*48TE選手が松葉杖をついて登場します。
確かに選手のTwitterを見ていると収録日後(1月中旬)に骨折したことを報告しており、筆者としては「これは試合後?」と思っていましたが違うことを悟りました。
決して万全と言えない状況での出場です。
ただ選手として出場するからには万全が期待されるというのが現実。
大ピンチのアピナの行方は。。
先鋒戦テーマONE-HAND
選曲予想
PAPER.選手:水槽のクジラ(MXM)
MURAKAMI選手:Struggle for Revival (MXM)
実際の選曲
PAPER.選手:continew(EXH)
MURAKAMI選手:Line 4 Ruin -kohumix- (MXM)
continew MAX5071
5048ー5051
Line 4 Ruin -kohumix- MAX5893
5860ー5886
「continew」は複数回の不規則な速度変化、ONE-HANDらしい配置とかなり精度を取るのが難しい楽曲。
ここはかなり意外でした。癖の強い選曲はあんまりしないと思っていましたね。
ボルテの譜面速度にあたるレーンスピードの仕様を軽く説明します。
(レーンスピード)=(曲のBPM)×数値となるようになっています。
曲が変わってもレーンスピードをいじる必要がない仕様ですが、曲中にBPMが変われば話は別。
BPM160のパートが一番長いので160に調整しますが、最高速度は256。
1.6倍速になるので見切るのは苦しく、ギアチェンジをする必要があります。
両選手ともタッチパネルでギアチェンジしてましたね。これは新筐体のみ為せる技です。
二人ともタイミングが違うので分かりづらいですがPAPER.選手はやや調整ミス。MURAKAMI選手は完璧でしたね。
調整ミスで3点差になり、縮まっては離れを繰り返しましたが3点差でフィニッシュ。
あの瞬時にタッチパネルを操作するのはなかなかコツがいりそうです。
かなり接戦だっただけにあのミスが痛いですね。。
試合後インタビューではMURAKAMI選手も別の試合で投げる想定だった曲とのこと。これは刺さらなかった。。
「Line 4 Ruin -kohumix-」はFXボタンとBTの複合配置が難しい、縦の認識力が問われる譜面。混合フレーズ、片手ハネ配置、トリルなど鍵盤の難しい要素はほぼ全て押さえており、レベル17では随一でスコアが出ない曲でもあります。
悠々と差をつけ、PUCで終了したMURAKAMI選手の勝利。片手での処理が言われてみれば多く、MURAKAMI選手のフィールドで最強の選曲でしたね。
ここで0−2。
次鋒戦
KND*48TE選手(先攻)
神話に芽吹く
EMPIRE OF FLAME
Ok!! Hug Me
DropZ-Line-
Hug!! Vs. Hug!!
WANIROU選手 (後攻)
灼熱Beach Side Bunny
Ghost Family Living In Graveyard
そして黄金郷へ
ΕΛΠΙΣ
take a step forward
結果:WANIROU選手の勝利
KND*48TE選手はメガミックスバトルではONE-HAND気味の配置が降ってくる曲たち。全てレベル18で構成され、その中でも「神話に芽吹く」「EMPIRE OF FLAME」など全体的に難易度が高い印象。
WANIROU選手はメガミックスバトルお馴染みの「灼熱Beach Side Bunny」「そして黄金郷へ」などを押さえつつ「ΕΛΠΙΣ」や「take a step forward」といった細かい鍵盤精度の問われる譜面たち。
試合展開は序盤はややWANIROU選手が押され気味。
しかしWANIROU選手がゲージ使用の「灼熱」で星5個を獲得。KND*48TE選手のゲージ3の「DropZ-Line-」を防ぎ、またゲージ2の「そして黄金郷へ」を通す。ここで11個の差をつけます。
しかしKND*48TE選手もゲージ3の「神話に芽吹く」で見事勝利し14−15まで肉薄しますが、WANIROU選手がゲージ2の「take a step forward」を通し14−20。
残り1ターンでKND*48TE選手の残ゲージは2個。最大でも星が5個しか取れないので勝ち切り。
総括としてはWANIROU選手がゲージ使用を全て勝ち切り、相手の「DropZ-Line-」を防ぎきったのが大きかった試合。たった一つで大きく響くという展開でかなり立て直しのルートがあるメガミックスでは珍しい展開でした。
WANIROU選手は安定した試合運びでしたね。「灼熱」もミスなし。最後の「take a step forward」は見た目以上に精度を取るのが難しい譜面でしたがCRITICALがほとんどなしで突破。前回と同じやや不利の後攻でしっかりと勝ち切りました。リベンジ成功。
KND*48TE選手は通常ゲージは満点、ゲージ選曲も十分でしたが「DropZ-Line-」が通せなかったのが何より痛かった。最初のトリルでCRITICALによってしまったのがもったいなかったですね。
しかし最後の「神話に芽吹く」は圧倒的でした。
今回の注目の選曲は「EMPIRE OF FLAME」。KND*48TE選手がゲージ使用なしで投げた楽曲で両選手とも満点でしたが、配置は悍ましいものになっています。
特にこのFXボタンと白鍵盤の縦トリル連打。片サイドの鍵盤に両手を寄せて叩く配置ですが、手がぶつかったりどっちが始まりかわからなくなったりでミスしやすいです。実際最後のは始まりが逆です。
しかもこの配置片方に重心を寄せるので骨折してしまったKND*48TE選手においては難しいはずですが完璧に通したのもすごいですね。
ここで0−4
中堅戦テーマNOTES
選曲予想
アピナ:Enchanté(MXM)
Tradz:ULTiMATE INFLATiON(MXM)
実際の選曲
アピナ:Bigbang Faker(MXM)
Tradz:gigadelic (かめりあ’s “The TERA” RMX)(EXH)
Bigbang Faker MAX5917
11793(5907:5886)ー11809(5902:5907)
gigadelic (かめりあ’s “The TERA” RMX) MAX6653
13243(6640:6603)ー13275(6639:6636)
(YU11:PAPER.):(WANIROU:350B1)
「Bigbang Faker」はピアノ合わせの浮遊感のある鍵盤配置。長めのトリルなどどこまでリズムに乗れるかが大事な譜面。超シンプルなテーマNOTESらしい譜面。
ここは全選手の水準が高く大きく差がつかない展開。しかし終盤のトリルでPAPER.選手がややCRITICALを出してしまったのが痛かった。。
MAX-10のYU11選手と350B1選手が強すぎますね。色々と錯覚しますがEX-SCOREこんなに出る曲ではないです。
「gigadelic (かめりあ’s “The TERA” RMX) 」は連打などが多めのいわゆるガチ押し譜面。
YU11選手がS-PUC(MAX)を出している譜面であり、さぞアピナにとっては予想外だったことでしょう。
序盤からほぼ完璧の立ち上がりのTradzがリードを保ち勝利。
しかししれっとYU11選手のスコアが1位なのはさすがですね。
350B1選手WANIROU選手がどちらもYU11選手に勝ってはいませんが、並ぶスコアが出ているのが大きいですね。このスコアでもアリーナだと1位2位となりますが、勝ちになるのはタッグバトルならでは。
ここで0−8。
副将戦
KND*48TE選手(後攻)
ЯeviveR
Fly Like You
*Feels Seasickness…*
Last Resort
Blastix Riotz(GRV)
MURAKAMI選手 (先攻)
For UltraPlayers(HVN)
Nexta
Chrono Diver -PENDULUMs-
THE凸GENERATOR
セイレーン ~悲壮の竪琴~
太字がレベル19です。
結果:MURAKAMI選手の勝利
KND*48TE選手の選曲は高密度高難度鍵盤譜面たちと推し曲枠「*Feels Seasickness…*」。
骨折を聞くと本当に大丈夫かと心配になる譜面も含まれております。
MURAKAMI選手は片手が凶悪な「セイレーン ~悲壮の竪琴~」。お馴染み「Chrono Diver -PENDULUMs-」とそもそもゲージ使用なしで満点取ることすら難しい曲たち。
試合展開はややMURAKAMI選手が優勢ですが両選手ゲージ選曲が通り、大きく点は動くものの最終的にKND*48TE選手が一歩有利に。
15−14で迎えたMURAKAMI選手選曲の「セイレーン ~悲壮の竪琴~」。
圧巻の片手力でこの螺旋階段を高精度通過。KND*48TE選手もミスなく繋いでいますがそれでも差がつきます。
ここで勝ち切り15−22。返のゲージ3の「ЯeviveR」は両者ミスがありましたがMURAKAMI選手がリード。終盤の長く速いトリルで差が全くつかずそのままMURAKAMI選手が防ぎます。
ここで逆転不可能に。
両選手ともゲージ選曲を通していたからこそ最後の「ЯeviveR」で防いだことが響きましたね。
KND*48TE選手はレベル19への対応力を十分に発揮していましたね。
「Last Resort」をゲージありで押し切っていましたが、あの譜面は高速の軸押しがあり足を負傷していたら苦しいはず。意地が見えましたね。
MURAKAMI選手はゲージ選曲は最後以外通したところがシンプルに素晴らしいですね。
一番の勝負どころの「Last Resort」を抑えたのも強いです。
ここで0−12。Tradzの勝利が確定しました。
大将戦テーマTRICKY
選曲予想
YU11選手:* Erm, could it be a Spatiotemporal ShockWAVE Syndrome…?(EXH)
350B1選手:TENKAICHI ULTIMATE BOSSRUSH MEDLEY (MXM)
実際の選曲
YU11選手:Elemental Creation(MXM)
350B1選手:INF-B《L-aste-R》(VVD)
Elemental Creation MAX9191
9145ー9146
INF-B《L-aste-R》 MAX7621
7525ー7588
新曲:Glory of Fighters MAX7799
7610−7476
「Elemental Creation」は高速の繰り返しと最後のメインパート前のエフェクトにより拡張された縦連打が特徴的な譜面。縦連打が多いのでTRICKYになっていますね。
序盤は10点ほどYU11選手がリードします。
しかし縦連打3回のうちの3回目。これはボルテ特有のエフェクトがかかっており曲より長く縦連打が降ってきます。
ここの後半で大量にCRITICALが出てしまったYU11選手。350B1選手はCRITICALはほとんどありません。
これで一気に差が縮まり、動揺したのかYU11選手のCRITICALが増え350B1選手が逆転します。
逆に10点ほど差がつき、最後まで縮めますが1点が覆しきれず350B1選手の勝利。
体力と集中力を要する譜面なのでちょっとしたズレが差に直結する形になってしまいました。
序盤ほぼ完璧で通していただけにYU11選手にとっては大将戦の新曲の逆転を思い出させるような形になってしまったかもしれませんね。
350B1選手も序盤ミスが出ていたのにしっかり立て直し、縦連打はきっちり光らせるという芯の強さが出ていましたね。
「INF-B《L-aste-R》」(インフィニットブラスター)はEXH譜面がレベル18。ラストメインパートの前に縦連打が降るのが印象的な人気曲で、今回のレベル19のVVD譜面は前述のようなエフェクトで拡張された縦連打が入っています。
しかし縦連打が二箇所しかないので高速鍵盤対応が要となる曲。ほとんど休憩がないのでまたしても体力がいる譜面。
こちらは最初の縦連打から差が開きます。YU11選手はエラーになっておりかなり失点した形。
縦連打以外でもじわじわ差を広げる350B1選手。
そして2回目の縦連打でYU11選手が大きくハマってしまい60点ほど差が開き、そのまま終了。
350B1選手はどちらの縦連打もほぼミスなしです。
ここは350B1選手の仕上がり具合が最高でした。もともと高速系の鍵盤を強みとする選手でしたが今回のこの出来はさすがですね。。
そして新曲「Glory of Fighters」。ボルテにおける有名曲「Booth of Fighters」の続編を思わせるタイトルとコンポーザー。
BoF配置とも呼ばれる同時押しラッシュが特徴的。
ボルテのスキルアナライザー(IIDXの段位にあたるもの)ではEXH譜面が何作も居座っているためIIDX七段での「THE SAFARI」のような立ち位置といってもいいかもしれません。
新曲のEFFECTERは「MAD CHILD Beat Per Limits」。EXH譜面のEFFECTERと一緒です。
序盤からあまり他の譜面に見られない配置と縦連打で350B1選手がリードしますが、徐々にYU11選手が追い詰め同点、リードを広げていきます。
速度変化、最後の同時押しラッシュ前に画面が回転する演出もいかにもBoFの続編といった感じでした。
最後の同時押しラッシュはかなり高速、FX混じりで配置を見分けることすら困難でしたがYU11選手がきちんと捌き100点以上の差をつけ勝利。
押しづらく攻略に研究が必要そうな配置でしたがYU11選手押し切りました。今までの追加新曲と比べてもいかつい難易度をここまで捌けるのはエースですね。
3−16でした。
展開予想の答え合わせ
よって先鋒戦Tradz、次鋒戦Tradz、中堅戦1勝ずつ、副将戦アピナ、大将戦Tradz1勝(3pt)、アピナ2勝(4pt)で10−9でアピナの勝利を予想します。
だいぶ外れてますね。
どうなっていたかわからない(2回目)
不謹慎ですが、もしアピナが負ける時はKND*48TE選手が負けた時ではないかと思うほどです。
と書いた次の試合、本当にそうなってしまったなという印象。
アピナはここで敗退となりました。
足を骨折をしていたKND*48TE選手がそれを感じさせないほど接戦を魅せてくれましたが、もう一息が足りず悔しい展開でした。
副将戦「Chrono Diver -PENDULUMs-」ではかなり重心を傾ける必要がある配置で点を取れておらず、さすがに万全とはいえなかったと思います。
骨折していなかったとて万全なんてものは期待でしかないのですが、どうしても期待したくなりますね。KND*48TE選手にかぎらずPAPER.選手もYU11選手もさらに強くなって次のBPLで戦って欲しいところ。
前回のTradz戦もMURAKAMI選手不在という形だったので次こそは万全が期待できる状態での試合が見たいですね。
Tradzとしてはリベンジ完全達成でした。MURAKAMI選手も全勝し、アピナに打ち勝ったと言える試合内容。
全選手がそれぞれの強みを発揮して勝っているシーンも非常に良いですね。
全員がエースとも言えるようなTradzの強さがクォーターファイナル以降磨きがかかっています。
ところでTradzとしてはクォーターファイナルからリベンジツアーでした。
インターリーグで負けたSILKHATを破り、Lリーグで負けたアピナを倒し、
最後はLリーグで負けたGiGOが相手です。
因縁のリベンジツアーFINAL。非常に楽しみになってきました!