【エッセイ】pray nightly

雑記

いつだったか、jubeatの新シリーズが出た。タイトルはjubeat beyond the Avenue。前作Avenueのバージョンの解禁は終わっていなかったが、いつの間にか出てしまった。propから始めたから馴染みがなかったがsaucerとsaucer fulfillを彷彿とさせるアップデートだ。

アップデートが走ると隠し曲を全て開ける先駆者たちが現れる。先駆者たちによるとどうやら最後に開くのは猫叉Masterの「pray nightly」という曲らしい。

猫叉Masterは私をjubeatに引き込んだコンポーザーのうちの1人である。先にはじめていた友人に誘われ、名曲だからと勧められた「Far east nightbird」は強く印象に残っている。派手さのないシンプルな始まりなのに引き込まれる、低音がよく響くjubeatにあっていて、メインパートのピアノの旋律にはカタルシスがあった。中毒性から遠いのにクセになる。

propではクリアしないと先に進めない門番の一つでもあり、その意味でも記憶に残っている。

そこから数多くの猫叉曲に触れた。お気に入りはあげるとキリがないが「猫侍の逆襲」「カラルの月」「Good-bye Charon」などがある。けしてjubeat初出ではないものもあるだろうが、それで育った。

最終解禁曲がその猫叉Masterであるというのは珍しく、どんなものか気になった。先駆者たちがあげた動画を見れば事足りるが、解禁して聴きたくなる。筐体で聴く方が絶対に良い。途中の解禁でも気になる曲はありモチベーションは続くだろうと思っていた。

jubeatの今の解禁システムはLIGHT CHATと呼ばれている。曲ごとに宇宙人のようなキャラが割り当てられ、プレーによってゲージ(電気)を溜めそのキャラと会話する。溜まりきるとお礼に楽曲がもらえる。マッチングアプリの男性側を想起させる仕組みだが物が貰えるだけマシかもしれない。

ゲージが溜まりやすくなるミッションが1キャラにつき3つあり、プレーの中で満たすと進みやすくなる。しかしうち1つは「本日初プレー」という1回きりのブーストである。1日にどんなにやっても1回しかないため休日にしかゲームセンターに行かない社会人に厳しい作りとなっていた。先駆者たちはおおよそ1日で解禁していたが、このブーストを得ずに突っ切ったことに尊敬の念が絶えない。

苦しい解禁だったが1ヶ月以内に「pray nightly」の前の楽曲3曲解禁にたどり着く。この3曲がどうとか、確か先駆者たちは言っていた。

しばらくしても宇宙人めいたキャラが出る気配がない。キャラが登場すらしないので進めることもできないのだ。ヒントが出るがピンとこない。思わず攻略サイトを見る。

●ARMO、TONGARI、SAN・DAL Bros.解禁
●お題の3曲のEXTでそれぞれ
SSS、FULL COMBO、ALL YELLOWを達成

1個目の条件は達成している。しかし問題は2つ目。SSSはjubeatのスコアランクで、95%程度の達成率と考えて良い。FULL COMBOは名前の通り、ALL YELLOWはどの箇所も1度は完璧にこなしたことがあるという指標である。

お題の3曲はレベル10.4以上、私には到底できなかった。10.4だとSS(90%)が精一杯。FULLCOMBOとALL YELLOWは果てしなかった。

救済はないのかと探ると追記がある。

(か600TUNESプレー)

jubeatはふつう1クレジット3TUNEである。最低でも200クレジット。ボーナスを頑張っても150以上必須。新バージョンになってからなので流石に遠い。

膨大だった。200クレジットは1年で終えるにも1週間に4回はやる必要がある。酸っぱい葡萄の逸話を思い出していた。そのモチベーションがあれば2個目の条件も通っていた…とはとても言い難い。

そうして勢いは削がれ、ほとんどやらなくなった。その時興味がある機種しか昔からできなかった。

新作なので更新はされるのだが、コンポーザーが刺さらなかった。新しい風のメンバーだったのもある。それでも気になったアプリ版で先行登場したMUSECA移植曲、kamome sanoの新曲、それらの解禁に精を出していた。どうせ開けた後1回くらいしかやらないのに。

根底には興は削がれたにせよjubeatが終わってほしくなかったのがある。全盛期から比べればかなり勢いを失っている。放っておいても終わる時は終わるだろうが、少しでも罪悪感を減らしたい自己満足がある。それに自分のよく行くゲーセンからも無くなりかねない。

しばらく後、「AIR RAID FROM THA UNDA GROUND」(通称エアレ)の[2]譜面(追加譜面のこと)や「ケッペキショウ」の[2]が登場する。かつての記憶を刺激する新譜面に脳を破壊(*)されながら、ほどほどにやっていた。

(* jubeatは上達のために譜面を覚えることが多い。[2]は覚えている譜面と違うものが降ってくるので記憶をつかさどる脳が拒絶反応に似た何かを起こす。上の2曲は脳へのバイオレンスを感じた)

新曲もそれなりに追加されたのだがそれが2025年の4月〜6月。そこからは版権曲や移植を含め譜面は少しずつ増えていたがオリジナルの新曲は増えていなかった。

1曲ずつくらいの細かな更新がたまにくる程度だった。そんな中2026年を迎え、pop’n musicが復権する。

復権というと滅びかけていたように聞こえてしまうがもともと十分に勢いがあった。新筐体が出るまでよく行くゲームセンターの1台の旧筐体ポップンは空いていたことのが珍しい。復権というか改修工事を終え期待を叶えられる体制になっただけだ。

爆発的な勢いで、かつユーザーの望むものを提供し続けるポップンは多くの人を呼び戻していた。私はかつてjubeatをともにやっていた友人たちが戻ることはあるのだろうかとぼんやり思っていた。年に1回くらいしか会わないが、かつては私含めて4人でマッチングモードでよくやったものだ。

エアレの追加譜面は当時jubeatファンの中では話題だった、誰もがよく知るボス曲の追加譜面だった。「ケッペキショウ」はあの頃jubeatを始めた私たちにとっては最高難易度レベル10の入門曲だ。かなりやりこんだ。あの[2]譜面は知らなければ驚くだろう。マッチングモードで遊べる機会があるなら解禁している私が投げられる、だが今4台もjubeatがあるゲームセンターがあるだろうか。その日までjubeatはあるだろうか。

ただ3月後半、BPLの終幕とともにイベントの告知がある。「こっちも!Triple Tribe」である。この時目を疑った。あのjubeatがラインナップにいる。

このラインナップにいたことで安心する。まだ大丈夫だと。

そうしてそんな安心から数週間、jubeat新筐体のロケテストが告知された。生まれ変わってくれるらしい。ささやかな祈りが届いたようで勝手に嬉しかった。

そこからは少し、jubeatのプレー頻度が上がった。ロケテストの抽選は外れたのでいけなかったが、多分誰より待ち望んだであろう先駆者たちの感触が良さそうなのと今のKONAMIがやるならもう不安はなかった。だがその安心に胡座はかけないと思った。その日まで繋がなければ。

5月、新筐体の新曲に「HADES」があることが明かされる。

IIDXの強烈なアニメーションで話題になったこの曲も実はもう10年前の曲だ。私と友人の間でも人気の曲だ、流石に名前を聞けば思い出せるだろう。あの日の私たちが喜ぶ要素がまた増えていく。さればこそ繋がなければ。

ある日よく行くゲームセンターからある日色々な音楽ゲームがリストラされた。jubeatは生き残っていた。理由はわからないが、新筐体が、ゲームセンターにとっては機種の更新が続く希望と見做されたのではと勝手に思っている。

新筐体を待ち望みながら少しずつやっていく、そんな日々を過ごしていると不意に新しい宇宙人めいたキャラが現れる。名前はPRAYER。かつて諦めた200クレに、とうとう辿り着いていた。

実に忘れていたが、ようやく訪れた解禁の機会にさらにやる勢いは増した。しかしなかなかに重たい条件だ。進めやすくなるミッション3つも1つは「本日初プレー」の1回きり、もう一個は簡単に達成できるが、残りの一つは特定の曲でSS評価を出す、というものだった。

PRAYERとは6回分電気を貯め会話する必要がある。つまり6フェーズある。この特定の曲はフェーズごとに変わる。1曲目、2曲目、3曲目は比較的安定してSSを出せる曲だった。達成ボーナスのおかげで3フェーズ目まではスムーズに進めた。問題は4フェーズ目以降である。

4曲目「パピポペピプペパ」、jubeat clanの名曲である。もっと移植されていい。中毒性が高く過去にやりこんでギリギリSSを取ったことがあるが、中途半端に覚えていて間違って押すクセがついている。過去の自己ベストさえ出れば達成できるミッションだったが出せずにフェーズが終わった。

5曲目「glacia[2]」、DJ TOTTO氷山シリーズ。jubeat propで嫌というほどやった曲。つまりクセがついている。自己ベストがそもそもSSではないが、それすらも更新できなかった。

6曲目「Rock ju」。C-Showの名曲。シンプルに難しい。1回でありえないくらい疲労する。良いところまで行ったもののSSは出せず。

そうして「pray nightly」は解禁された。曲がりなりにもCHATなのでPRAYERからの一言もある。

ついに辿り着いた曲をプレーする。先駆者たちの動画も見ていない、譜面が初見なのはもちろん曲も今ここで初めて聴く。

曲は静かだった。最小限の音の数、「Far east nightbird」がはるかに音楽ゲームらしいと感じる。頭にしかとのこる強いフレーズも猫叉Masterの特徴だと思っているが、それも今回は優しい。

難易度10.7は一筋縄ではいかない難易度、私にはSSはまず出ない。ただなんだかんだSは出るかなと思っていたところの2段階下のBはなかなかくるものがあった。

ホールドノーツと呼ばれるパネルを押しっぱなしにするものがある。最低指1本は拘束されるのでパネルも取りにくくなる。これがたくみに配置され手を離したくなる。うまくやろうとしても初見では離すタイミングがわからない。音楽ゲームらしい起伏がそこまでではないこの曲が、このゲームでは十分な難しさになる理由だ。他のゲームでは難しくすることはできなそうだ。

このゲームはある程度までは伸びるが、もう一段極めるには配置を予習し取りやすい指の動きをマスターする必要がある。研究と呼んだりした。他のゲームはこれを理論値を出すための最後の詰めくらいであることが多いが、このゲームは割と早い段階で要求される。素直に私の実力の問題も大いにあるだろうが。

何回やってもS(80%)に届かず、久しぶりに悔しいと思った。解禁の道中にもミッションが達成できなくて感じていたが、いつからか思わなくなったことだった。

そこで今はゆっくり研究している。YouTubeのEXC(理論値)の動画を探す。その動画が2年前とみて、解禁したいと願ってからもうそんなに経ったのかと気づいた。

あわせて有志の作ったハンドクラップ動画を見ている。正しいリズムや見落としやすい同時押しのタイミング、ホールドの離すタイミングを覚えていく。次の週末にはできるようになることを願って。

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